袋帯とは?名古屋帯との違いや種類、お手入れ方法についてご紹介
和装のお出かけで着物を選ぶ際、着物に合わせた帯の正しい選び方があることをご存知でしょうか。「袋帯」や「名古屋帯」などを聞いたことがあるものの、その格式や具体的な違いが分からない方も少なくないでしょう。
本記事では、袋帯と他の帯との違いや種類、お手入れ方法を詳しく説明します。本記事を参考にして、お出かけに適した帯を選べるようになりましょう。
▼▼▼ 京都かしきもの おすすめの訪問着へ ▼▼▼
1.袋帯とは?
袋帯(ふくろおび)とはどのような帯なのでしょうか。
袋帯は、帯の中でも格式の高い帯として位置付けられている帯で、表地と裏地が異なる生地を袋状に縫い合わせて仕立てられていることからその名前が付けられています。
帯を結ぶと両面に模様が出るようになっており、金糸や銀糸の豪華で美しい刺繍が施されているものが多くあります。
豪華で美しい袋帯は格式が高くフォーマルなシーンに適しています。結婚式に親族が着用する留袖や、ゲストとして招かれた際にピッタリな訪問着、成人式の振袖に合わせる帯として袋帯がおすすめです。
特に結婚式や披露宴のようなお祝いの場では金糸や銀糸の使われた豪華な袋帯がよく合います。
また成人式や入卒式などの式典にも袋帯を選ぶとより華やかな装いになります。
帯が長いため「喜びを重ねる」の意味を持つ「二重太鼓」と呼ばれる結び方ができるのも袋帯の特徴です。祝賀会など晴れやかなお出かけのシーンにふさわしい着姿を演出できるでしょう。
また、ワンポイントで柄のついたものや紬の袋帯はカジュアルなおしゃれ帯としても使うことができ、カジュアルなランチや観劇の場にもおすすめです。
では、袋帯は他2種類の帯の違いにはどのような点があるのでしょうか。
1-1.名古屋帯との違い
袋帯と名古屋帯の主な違いは、仕立ての長さと着用できるシーンです。
袋帯の一般的な長さは約4m17cm~と言いわれているのに対し、名古屋帯の一般的な長さは約3m60cmとされています。約45~50cmほど長さが異なります。
名古屋帯は、袋帯よりも短いため結びやすく扱いやすいのが特長の帯です。名古屋帯の仕立て方にはいくつかの方法がありますが、結んだ際に「お太鼓」と呼ばれる後ろの部分以外は半分の幅で仕立てられています。
二重太鼓結びはできませんが、代わりに「一重太鼓」と呼ばれる結び方をします。袋帯に比べると格式は下がりカジュアルなお出かけ向けの帯ですが、帯に施されている模様の選び方によっては同窓会や七五三などのセミフォーマルなシーンにも適しています。
1-2.丸帯との違い
袋帯と丸帯の主な違いも、仕立ての長さや着用するシーンです。
丸帯は袋帯や名古屋帯よりも長く仕立てられており、裏表両方に金糸や銀糸を使った豪華絢爛な生地を使い仕上げてあります。袋帯よりも格式が高く最もフォーマルで、現代では結婚式の花嫁衣装や舞妓さんの衣装など限られたシーンで着用されているのが特長です。
丸帯は一般的な帯の約2倍の幅で、縦に折った帯の中に芯を入れて仕立ててあります。そのため、帯を結ぶ際の扱いも複雑になり、重さがあるので動きにくくなりがちです。
2.袋帯の種類
袋帯には作り方や模様、結び方にさまざまな種類があります。それぞれの特長を詳しく見ていきましょう。
袋帯の作り別
袋帯の作り方には、一般的に本袋、縫い袋、片縫い袋の3つの種類があります。それぞれの仕立て方の特徴は下記の通りです。
● 本袋:継ぎ目や縫い目がなく、袋状になるよう織ってある帯です。一般的に裏表の模様が異なるため、袋状に織り上げるには高い技術が必要とされます。
● 縫い袋:現代流通している袋帯の主流の作り方で、別々に織り上げた生地の両端を縫い合わせて袋状に仕立ててあります。
● 片縫い袋:裏表の模様が一つの布に収まるように織り上げた後、半分に折って片側を縫い合わせて袋状に仕立てた袋帯です。
模様別
袋帯に施されている模様にはさまざまな物があります。ここでは全通柄、六通柄、お太鼓柄の3つの模様を詳しく見ていきましょう。
● 全通柄:全体に同じ柄が入っている袋帯を指します。どの角度からも柄が見えるため高級感があり、着物姿がより美しく仕上がるでしょう。柄の数の多さから制作工程が複雑で、他の袋帯よりも重さがあります。
● 六通柄:全体の6割程度に柄が入っている袋帯を指します。袋帯を結ぶ際に体に巻く1巻目の部分に柄が入っておらず、全通柄よりも軽いのが特長です。帯を結んだ仕上がりは全通柄と変わりません。
● お太鼓柄:お太鼓結びをした時にお太鼓になる部分と、着物を着た時正面にくる部分のみに柄が入っている帯です。他の部分は無地でシンプルな作りなのが特長です。
袋帯結び方の例
袋帯の結び方にはさまざまなスタイルがあります。ここでは、代表的な二重太鼓意外に袋帯を使った「変わり結び」を3種類ご紹介します。
● ふくら雀:古典的な袋帯の結び方で、皇室女性が結納の儀の際に結ぶのもこの形です。結び方の名称は、寒さが厳しい冬に羽の間に空気を入れて冷えをしのぐ雀の形に由来しています。体型を選ばず誰もが似合いやすい結び方です。
● 立て矢:江戸時代に大奥の御殿女中が好んで結んでいた形で、インパクトのある華やかな後ろ姿に仕上がるのが特長です。帯の模様を活かしにくいため、見せたい模様がある場合は他の結び方をおすすめします。
● 文庫:かつて武家の女性が結んでいたと言われる結び方で、蝶のような形に仕上がるのが特長です。女の子らしく可愛げのある見た目から、花嫁衣装に結ばれることも多い変わり結びです。
また成人式などでは振袖に合わせて様々な変わり結びやアレンジが施されます。
3.袋帯のお手入れ方法
袋帯に大きな汚れがなければ、クリーニングに出さずに自宅で簡単にお手入れができます。ここでは袋帯のお手入れ方法を見ていきましょう。
まず、袋帯をハンガーに通して風通しの良い場所で2時間以上陰干しをします。帯が湿気を含んだままタンスに収納するとカビの原因になってしまいます。
特に結婚式などお祝いの席に参加する際は、食事やお酒のシミが付きやすいため明るい場所で汚れやシミの有無を確認しておきましょう。
しっかりと湿気を払い、帯の生地を痛めない柔らかいブラシで優しくホコリを取り除けばお手入れは完了です。
万が一汚れやシミができていた場合は、デリケートな帯の扱い方が分かるクリーニングやシミ取り専門店に出すことをおすすめします。自己判断でシミ抜きをすると帯を痛めてしまう可能性があるため注意しましょう。
まとめ
本記事では、袋帯と他の帯の違いや種類、お手入れ方法などを詳しくご説明しました。袋帯にはデザインや結び方などさまざまな特長があります。本記事を参考にしてお出かけのシーンに合った袋帯を選び、着物を美しく着こなしましょう。
▼▼▼ 京都かしきもの おすすめの訪問着へ ▼▼▼
訪問着レンタルは全国対応!
≪往復送料無料地域≫
青森県 / 岩手県 / 宮城県 / 秋田県 / 山形県 / 福島県 / 茨城県 / 栃木県 / 群馬県 / 埼玉県 / 千葉県 / 東京都 / 神奈川県 / 新潟県 / 富山県 / 石川県 / 福井県 / 山梨県 / 長野県 / 岐阜県 / 静岡県 / 愛知県 / 三重県 / 滋賀県 / 京都府 / 大阪府 / 兵庫県 / 奈良県 / 和歌山県 / 鳥取県 / 島根県 / 岡山県 / 広島県 / 山口県 / 徳島県 / 香川県 / 愛媛県 / 高知県 / 福岡県 / 佐賀県 / 長崎県 / 熊本県 / 大分県 / 宮崎県 / 鹿児島県