成人式の振袖は自分で着付けできる?着付けの手順やポイントを解説

成人式は、人生の節目を祝う大切な行事です。そのような行事に美しい振袖を着て参加すれば、一生の思い出に残るでしょう。振袖を着る際は、着物のレンタル店や美容室などで専門の知識を持った方に着付けてもらう方法が一般的です。とはいえ、せっかくの機会なので「自分で振袖を着付けてみたい」と考える方も少なくないでしょう。振袖の着付けの方法を学べば、自分で着付けることは可能なのでしょうか。
本記事では、成人式に振袖の着付けを自分で行いたい方に向けて、振袖の着付け手順やポイントなどを解説します。
目次
1.成人式の振袖を自分で着付けることは可能?

一般的に振袖の着付けは着物の着付けよりも難しいとされており、専門的な知識や技術が求められます。プロの着付け師の方が二人以上で協力するケースもあるように、自分で振袖の着付けをするのは難易度が高いでしょう。しかし、事前に着付けの練習をしておけば不可能ではありません。
1-1 振袖の着付けが難しいといわれる理由
振袖の着付けが難しいといわれる理由に、振袖に合わせる帯の扱いにくさや重さが挙げられます。
振袖で使用する帯は、普段着として着る着物や浴衣に合わせる帯よりも帯幅が広く長さもあります。また、豪華な振袖に合わせて帯を複雑な「変わり結び」にする場合も多く、扱いにくい帯で複雑な結び方をするのは難易度が高いでしょう。さらに成人式は祝賀行事のため、豪華な金糸をふんだんに使った帯や、鮮やかな刺繍が多く入った帯を使うのが一般的です。そのため、振袖用の帯は通常の着物の帯よりも重く、一人で帯を結ぶのに時間がかかることがあります。また着崩れや動きにくさの原因につながるので、帯が緩かったりきつかったりしないような結び方に仕上げるのも、振袖の着付けが難しいとされている理由の一つです。
2.振袖の着付け手順とポイント

具体的な振袖の着付けの手順には、4つのステップがあります。それぞれのステップとポイントを詳しく見ていきましょう。なお、メイクやヘアセットは着付け前に仕上げておきましょう。
2-1 必要なアイテムを準備
まず、振袖の着付けに必要なアイテムを準備します。以下のリストを参考にして、必要なアイテムをそろえましょう。
●肌襦袢(はだじゅばん)
●長襦袢(ながじゅばん)
●和装用ブラジャー
●裾よけ
●足袋
●補正パッド
●半衿(はんえり)
●衿芯(えりしん)
●タオル
着物類
●振袖
●帯
●帯締め・帯揚げ
●重ね衿(かさねえり)
小物類
●腰ひも
●伊達締め(だてじめ)
●帯枕
●前板・後板
●三重仮ひも(さんじゅうかりひも)
●髪飾り
●着物用バッグ
●草履
2-2 和装下着を着用し補正をする
必要なアイテムをそろえたら、まずは和装用のブラジャーなどの和装下着を身に着けて、体のラインの補正を行います。
着物を着る際は、洋装と異なり体の凹凸を抑えて寸胴に見せることがポイントです。和装用ブラジャーは、胸の膨らみを抑えるのに役立ちます。肌襦袢を着用したら体のくびれている部分にタオルを巻いたり、補正パッドを使用したりして体が均一な厚みになるように整えましょう。
2-3 長襦袢を着用し振袖を着る
体のラインの補正が終わったら、長襦袢を着用して振袖を着ます。
長襦袢は、着物を汗で汚さないために着用します。長襦袢の半衿部分に衿芯を入れて羽織り、襟合わせがずれないように押さえながら伊達締めを締めて固定しましょう。肌襦袢を正しく着付けることで、振袖が着崩れにくくなります。裾よけは振袖を着た後の歩きやすさに影響するため、この時点で長襦袢の下に着用しておきましょう。かしきものではスリップタイプの長襦袢がセットになっているので、裾除けは必要はありません。
長襦袢や裾よけを着たら振袖に袖を通し、両襟を持って背中に空気を入れて羽織ります。この時、背中心をしっかりと合わせながら着物を左前で合わせ、位置が決まったら腰ひもを腰より少し高い位置で巻いて固定します。その後、振袖の脇の穴(身八つ口)から手を入れて前後の布目を整えて「おはしょり」を作り、伊達締めで固定しましょう。
2-4 帯を結ぶ
振袖の着付けが整ったら、最後に帯を結びます。
振袖に合わせた帯の代表的な結び方には「文庫結び」「立て矢結び」「お太鼓結び」などがあります。同じ結び方でも多くのアレンジ方法があるので事前にお気に入りの結び方を見つけておきましょう。ここでは、代表的な「立て矢結び」の手順を紹介します。
2. 左脇に合わせて手先を上にして体に帯を2回巻く
3. たれ先を斜めに折り上げる
4. 手先を三つ折りにする
5. 手先が上に来るようにして帯の上線で結ぶ
6. たれを広げて羽の大きさを決めてたれを折り込む
7. 帯枕を羽の間に入れて形を整えてからひもで固定して帯揚げを結ぶ
8. 余った手先を帯の中に入れ、羽の下の手先に帯締めを通して前で結ぶ
9. 全体の形を整える
3.着付けの方法を学ぶには
前述の通り、振袖の着付けには多くの手順があります。
特に振袖は、着物の中でも着付けの難易度が高いため、自分で着るには繰り返しの練習が必要です。特に成人式の式典に参加する場合、準備には早朝から取り組む必要があります。式典会場までの移動時間や当日の天候など、予期せぬトラブルにも対応できるよう、時間配分もしっかりと行いましょう。
振袖を自分で着付けたい方は、成人式当日に慌てないためにも、着付け教室やレッスンに参加しておくと安心です。最近は無料動画で着付けや帯の結び方を学ぶことも可能なため、レッスンと併用すると効果的に学習できます。
4.まとめ

本記事では、成人式で振袖の着付けを自分で行いたい方に向けて、振袖の着付けの手順やポイントを詳しく解説しました。成人式は人生に一度しかない特別な日です。彩り豊かな美しい振袖を自分で着付けることで、さらに思い出深い日になるでしょう。
成人式当日のスケジュール管理や帯の結び方などの練習をしっかりと行い、余裕を持って着付けに臨みましょう。
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