産着（掛け着･祝い着･のしめ）とは～お宮参りの着物

赤ちゃんの誕生を産土神（うぶすなかみ）様へ報告する「お宮参り」に赤ちゃんは、晴れ着である「産着」を着るしきたりがあります。
では「産着」とは??　疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。

「産着」とは生まれたばかりの赤ちゃんに初めて着せる衣服もしくは「お宮参り」に赤ちゃんが羽織る晴れ着を指します。
当コラムでは「お宮参り」に赤ちゃんが羽織る晴れ着について解説いたします。

「産着」とは「掛け着･ 祝い着･ のしめ･ 一つ身」等とも呼ばれ、赤ちゃんが健やかで元気に育つようにという願いが込められた晴れ着です。
生まれて約1か月ごろに行われるお宮参りの際、以下の画像のように赤ちゃんを抱っこした方と赤ちゃんが一緒に羽織ります。

赤ちゃん自身は白羽二重と呼ばれる真っ白な絹の生地でつくられた内着やベビードレスを着用します。産着は大人の着物のように着付けが必要なものではなく赤ちゃんを抱っこした人にかぶせるようにして着用します。ですので、背縫いを付けず、幅いっぱいを身頃に使い着物の端に紐を付けた作りになっています。
柄は男の子であれば「強く逞しく育ってほしい」という願いを込め、鷹や兜、龍などの力強い吉祥柄が人気です。
女の子は「美しく、優しく育ってほしい」と願いを込め、牡丹や桜をはじめとした花尽くしや鞠など華やかな柄ゆきの産着が人気です。

黒地に染め抜きの五つ紋を付けた、絵羽裾模様の留袖です。黒留袖は慶事における既婚女性の第一礼装となります。
黒留袖を着る際、白羽二重のものを重ねて着ていたのですが、現代では簡略化した比翼仕立てのものを着用します。
鶴亀や松竹梅、貝桶、菊などの吉祥文様や有職文様、正倉院文様が描かれています。
模様が小さく、位置が低めにあるものほど、年配向きになります。

色留袖は黒地以外の色地の裾模様の留袖をいいます。未婚でも着用でき、黒留袖よりも着用シーンは幅広くなります。
五つ紋を付けた色留袖は、黒留袖と同格の礼装となり、未婚女性・既婚女性の第一礼装です。
紋の数が減ると準礼装となり、茶会やパーティ向けとしても着用出来ます。

色留袖に次いで格の高い着物で、準礼装となります。絵羽模様が縫い目にまたがって付いており、胸、方、袖、裾に模様が繋がるように染められています。
対して、付下げは模様が前身頃、後身頃の両面に上向きに配置されるように染められているものです。訪問着より気軽に着ることができる着物です。