お宮参りと喪中の時期が重なったらどうする? マナーと注意点を紹介!
お宮参りは赤ちゃんの誕生を祝い健やかな成長を願うための行事ですが、同じ時期に喪中が重なった場合、通常通りにお参りをしても問題はないのでしょうか。本記事では、お宮参りの基本的なマナーとともに、喪中期間のお宮参りの可否や注意点などをご紹介します。
目次
1.お宮参りと喪中

1-1 お宮参りとは
お宮参りとは、神社やお寺などに赤ちゃんが誕生したことを報告し、健やかな成長を願う日本の伝統行事です。本来は土地を守る「産土神(うぶすながみ)」を祀る神社へ参拝します。お宮参りは、自宅から近い場所の神社やお寺に参拝するのが一般的ですが、両親と縁が深い神社やアクセスしやすい場所などの条件で選んでも問題ありません。ご祈祷を受ける場合は、あらかじめ予約の要否やご祈祷を受けられる時間を確認し、必要であれば予約を行いましょう。
お宮参りでご祈祷を受ける際は、神社に「初穂料」または「玉串料」と呼ばれるご祈祷料を納めます。この額は5,000~10,000円が相場ですが、神社によっては決まっていることがあるので、事前にホームページ等で確認しておきましょう。
初穂料や玉串料を納める際ののし袋は必ず水引(袋の真ん中に配されている紐状のもの)が紅白の蝶結びになっているのし袋に入れるのがマナーです。のし袋が用意できない場合は、白封筒でも代用できます。のし袋の表書きには、水引の上に「初穂料」または「玉串料」、下に赤ちゃんの氏名を記入します。のし袋に入れるお札は新札が望ましいですが、用意できないときはできるだけきれいなお札を準備しましょう。お宮参りでの服装は、晴れの日にふさわしいフォーマルな装いが基本となります。男性はスーツ、女性は洋装であればワンピースやスーツ、和装の場合は訪問着や色留袖を着るケースが多く見られます。
1-2 喪中とは
喪中(もちゅう)とは、近親者が亡くなった際に、故人の冥福を祈り、一定の期間身を慎むことを意味します。古くは、喪中期間は門戸を閉じ、酒肉を断ち、弔(ちょう)せず、賀(が)せず、音曲をなさず、嫁とりをせず、財を分かたずというようなしきたりがありました。喪中の期間は、故人の死後1年を目安に、故人との関係や忌日数、喪日数によって異なります。一般的には、亡くなった方の四十九日が過ぎてから一周忌(命日から数えて満1年)までの期間を指します。
1-3 忌中とは
忌中(きちゅう)とは、故人が亡くなってから四十九日法要(神道では五十日祭)までを指し、遺族が故人を偲び弔う期間です。忌中は、故人の安らかな眠りを願うだけでなく、遺族の気持ちを整理する期間でもあります。
古くは、忌中期間は穢れ(けがれ)の状態であるため、神社への参拝は避けるべきだと考えられていました。また、忌中は静かに故人を偲び弔う期間として、お祝いの席への参加や新年のお祝いは避けた方が好ましいというのがならわしとされていました。
現代では故人が亡くなった場合であっても外出は特段控える必要はないのが一般的です。しかしながら、お祝いなどの席への参加や神社参拝などは引き続き避ける方が好ましいとされています。
2.喪中でもお宮参りをしてもいいの?

お宮参りは赤ちゃん誕生後約1カ月後に行われますが、近親者が亡くなり喪中と重なる可能性があるかもしれません。では、喪中の場合でもお宮参りはできるのでしょうか。
2-1 喪中でもお宮参りはできる
喪中とは、近親者が亡くなってから故人をしのんで供養する期間のことです。喪中の期間は、故人との続柄などによって変わりますが、一般的には約1年間となります。この喪中の期間にお宮参りを控える人は多いですが、実際には喪中でもお宮参りは可能です。
2-2 忌中のお宮参りは避ける
喪中の間のお宮参りは可能ですが、注意したいのが忌中です。忌中とは故人の冥福を祈りながら穢れを祓う期間を指し、穢れを持ち込まないよう神社へのお参りは避けるべき期間なのです。忌中は仏教では四十九日法要、神道では五十日祭までとなります。忌中のお参りを避けるべきなのは神社のみで、お寺の場合は忌中でもお参りは可能です。どうしても神社にお参りしたい場合は鳥居の外からお祈りするのが望ましいです。その場合はご祈祷はしてもらえませんので、忌中が明けてから改めてお参りをすることをおすすめいたします。
3.喪中にお宮参りをする際の注意点

忌中とは違い、喪中はお宮参りができる時期ですが、通常の時期とは異なる状況といえるため、お宮参りをするに当たっていくつか注意するべきポイントがあります。
3-1 お宮参りの時期がずらせないか確認する
喪中の時期とお宮参りが重なった場合は、お宮参りの時期をずらせるか確認しましょう。お宮参りは誕生後約1カ月後に行うのが一般的ですが、必ずしもそのタイミングで行うべきだと厳格に決められているわけではありません。
喪中の期間はお祝い事を控えるべき、と考える家庭もあるため、事前に家族と相談をして時期を決めることをおすすめします。
3-2 参拝先へ事前に喪中であることを伝える
喪中でもお宮参りはできますが、神社によっては喪中に参拝を禁じている場合があります。神社ごとに対応が異なるため、お宮参りの前に必ず神社に確認を取り、喪中であることを伝えましょう。
3-3お宮参り先をお寺に変えることができる
お宮参りは神社で行うものだと思われがちですが、お寺でも可能です。お寺で行う場合は「初参り」「お初参り」と呼ばれ、神社同様、赤ちゃんの誕生を感謝し、健やかな成長を願うご祈祷を受けます。また仏教では死は穢れだとは考えられておらず、輪廻転生の輪の一つとされているため、お寺は喪中、忌中でも参拝ができます。一般的なお宮参りの時期に喪中や忌中が重なるときは、お寺へお参りすることも検討してみましょう。
3-4家族と相談して決める
喪中の時期のお宮参りは、参拝日や参拝先の調整が必要となる場合があります。地域やご家庭によっては冠婚葬祭のしきたりが色濃く残っていることもありますので、喪中にお参りしても良いのか、それとも参拝日や参拝先を変更するのか、事前に家族とよく相談して決めましょう。
4.喪中期間でもできるお祝い事は?

忌中期間が過ぎていれば、お宮参り以外にもご祈祷・ご祈願に当たる事柄は喪中期間にできる祝い事です。従って、初詣や厄払い・厄除けも可能です。その他にも、ひな祭りや端午の節句、七五三などの子供の成長を祝う節目、入学・卒業などのお祝いも、喪中期間に行っても問題ありません。特にお子様は日々目まぐるしく成長しますので、忌中期間などを避けられれば、喪中期間でもお祝いは可能ですので、貴重な成長の記録としてお祝いをしてあげるのも良いですね。
5.まとめ

喪中でも、忌中の期間でなければお宮参りは基本的に可能ですが、地域差やご家庭のご事情、神社によっては参拝できないことがあります。お宮参りは厳密に行うべき日が決められている行事ではないため、もし喪中期間とお宮参りが重なった場合は、家族と相談しながら柔軟に参拝日や参拝場所を決めましょう。
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