縁起の良い卒業袴の柄とは? 柄の意味や選び方を解説
「卒業式に袴を」と考えている方にとって、着物をどのような柄にするか悩みどころなのではないでしょうか。
袴は、平安時代の宮中装束に由縁があると言われています。宮中の女官をはじめ、高貴な身分の方が着ていた十二単(じゅうにひとえ)も、その下に長袴を履いていました。着物と比べて動きやすいこともあり、明治時代には女学生の制服として袴が取り入れられ、近年では卒業式の代表的な礼装として引き継がれていると考えられています。
着物の柄を活かすため、袴には無地のものを選ぶことが多かったのですが、近年ではさり気なくぼかし(グラデーション)やレース等が入った袴も見受けられるようになってきました。袴姿は無地の袴の場合と、ぼかしやレースが入った袴の場合では大きく印象が異なる場合もあります。
本記事では卒業の袴姿に選びたい、縁起の良い着物の柄と選び方を紹介します。
1. 柄に込められた意味で選ぶ
卒業の袴姿をどのような柄にするべきか迷ったら、柄に込められた意味から選んでみるのもおすすめです。当記事ではそれぞれの柄に込められた意味を解説します。
花や動物のモチーフ
花柄や動物モチーフは、ワンポイントとしてよく用いられます。着物に取り入れても、かわいらしさや華やかさを演出できるので人気の柄です。ここでは伝統的な花や動物の柄に込められた意味を紹介します。
・ 桜
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卒業シーズンを表し、季節の花でもある桜は「物事の始まり」や「五穀豊穣」を意味する縁起の良い柄として着物によく用いられます。可憐さと華やかさの両方を持つ柄なので、袴にさり気なくちりばめられていても素敵です。 |
・ 梅
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寒さが厳しい時期に開花することから「生命力」「逆境に耐える」などの意味が込められている柄です。学問の神様、菅原道真にもゆかりがある樹木ですので、卒業式の袴や着物の柄としてもよく選ばれる柄です。 |
・ 椿
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インパクトとレトロさがある柄として近年人気があるのが椿柄です。常緑樹である椿は普遍の象徴とされ、「繁栄」や「魔除け」の意味が込められています。良い出来事の前触れを意味するとも言われ、美しいだけでなく気品や聡明さを感じさせる雰囲気が卒業にぴったりの柄です。 |
・ 牡丹
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「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」と言われるように、古くから牡丹は美しい女性を例える花として親しまれてきました。美しく咲く姿は「百科の王」と言われるほどです。そのため牡丹には「富貴」「幸福」「不老長寿」などの意味が込められています。さり気なくあしらわれているだけで、華やかさが増す柄の一つです。 |
・ 菊
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菊には「高貴」「高尚」「延命長寿」「邪気払い」「心身の安定」など様々な意味が込められています。 また菊は皇室の御紋としても有名です。 |
・ 鶴
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卒業シーズンを表し、季節の花でもある桜は「物事の始まり」や「五穀豊穣」を意味する縁起の良い柄として着物によく用いられます。可憐さと華やかさの両方を持つ柄なので、袴にさり気なくちりばめられていても素敵です。鶴は伝統的な着物の柄です。「鶴は千年、亀は万年」と言われるように、古くは神鳥と考えられ、縁起の良いモチーフとしてさまざまなものに用いられてきました。鶴が飛ぶ姿を柄にした「飛鶴文」や折り鶴を柄にした「折鶴文」、二羽の鶴が向かい合わせなどで描かれる「向鶴文」など多くの種類があり、「長寿」や「円満」などの意味が込められています。 |
伝統柄・幾何学文様
伝統的な着物の柄には、規則的に同じ模様が繰り返される、まるで幾何学模様のような柄もあります。また、花柄や動物柄以外にも伝統的で縁起が良いとされている柄は数多くあります。その中から卒業式にぴったりの、伝統柄や幾何学文様を紹介していきましょう。
・ 矢絣柄(やがすりがら)
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矢絣柄は矢の羽根の部分を規則的に並べたような柄で、色のコントラストが美しい伝統柄の一つです。「矢羽根」または「矢筈」とも呼ばれます。モチーフの元は神社で授与される破魔矢で、「魔除け」や「幸せを射貫く」などの意味が込められています。着物の柄に取り入れれば、大正ロマン風なレトロな雰囲気になり、卒業式にぴったりな「ハイカラ」なイメージに仕上げられるでしょう。 |
・ 短冊
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笹の葉や花柄などと一緒の描かれることも多い短冊柄は、和歌を詠む際の短冊を元にした柄で「学業成就」や「仕事の成功」などの意味が込められています。着物全体にちりばめられるとインパクトのある印象になりますが、さり気なく施されていると知的で品のある印象に見えます。少し珍しい柄ですが、柄の持つ意味から見ても卒業式にとても相性の良い柄と言えるでしょう。 |
・ 市松模様
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バイカラーの格子が一面に施される市松は、柄が途切れることなく続いていることから「繁栄」の意味が込められています。これから社会人として活躍したいと考えている卒業生に相性の良い柄です。規則的な紋様ですので、スタイルアップも叶いやすい柄の一つです。 |
・ 麻の葉模様
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六角形を規則的に繰り返して配置した幾何学文様です。植物の麻の葉に似ていることからこの名前が付けられています。また麻の葉は成長が早くまっすぐに伸びることから、健やかな成長・魔除けの意味が込められています。 |
・ 流水柄
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流水の多くは小川の様子を描いています。 曲がりくねって流れる水の様子を文様化したもので、途切れることなく流れる水流は「永遠」を表すおめでたい柄でもあります。 |
・ 熨斗柄
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熨斗は鮑(あわび)を引き伸ばして乾かした「のしあわび」のことをいいます。昔は祝事の儀式の肴として用いられていました。 やがて折り畳んだ紙の間に熨斗鮑を包み結納品、引き出物に添えられるようになりました。帯状の熨斗の中には草花が華やかに配置されて描かれることが多くあります。 江戸時代から人気の柄で、現在もおめでたい柄として着物や帯に用いられています。熨斗には「束ね熨斗」「あばれ熨斗」の文様があります。 |
・ 雪輪
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雪輪は、丸みをおびた六角形に凸凹があるのが特徴です。 この凸凹は春が到来し、まだらに雪が溶け残った様子からデザインされたといわれています。 雪輪の形で模様を区切った柄を「雪輪取り」と呼び、中に植物などを描いて楽しむこともあります。 その独特で優美な形から、季節とは関係なく図案の1つとして用いられます。 |
2. 柄が決まったらテイストを決める
卒業袴や着物に取り入れる柄が決まったら、次はテイストを決めましょう。古典的な着物らしいテイストだけでなく、近年トレンドとなっているレトロな雰囲気やモダンな雰囲気の着物もおすすめです。
古典的なテイストなら伝統的な和服らしい華やかさが表現されますし、レトロ調になると、輪郭を強調したような柄や、くすみがかった色合いなど、全く雰囲気が異なった着物姿になります。モダンなテイストになれば、洋服に用いられるようなデザインや色使いになるなど、より一層雰囲気が変わるでしょう。
王道の古典的なテイストを選ぶか、大正ロマンテイストでハイカラな雰囲気に仕上げるか、それとも近代的でモダンなスタイルにするか、合わせる小物も考えながらテイストを決めていきましょう。
またテイストによって、ヘアスタイルやメイクなども変わってきますので、事前にどのようなヘアスタイルやネイルにするのか等決めておくと良いですね。
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クラッシックテイスト | レトロモダンテイスト |
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キュートテイスト | モダンテイスト |
3. 縁起の良い卒業袴を選んで門出の日を迎えよう
卒業袴など、和服に使われる柄には古来よりさまざまな意味が込められています。本記事で紹介したそれぞれの柄が持つ意味を参考にしながら、卒業というおめでたい日にどのような意味を込めた柄を選ぶか、ぜひ考えてみてください。自分にあった柄の卒業袴を見つけて、最高の晴れの日を迎えましょう。
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