着物と浴衣の違いとは?6つのポイントに分けて解説
着物や浴衣は日本の伝統的な装いです。成人式で振袖を着たり、夏のイベントに友人と浴衣を着合わせて出かけたり、着物や浴衣を着た思い出がある方も多いでしょう。
基本的な形は着物も浴衣も同じですが、着用シーンや生地・素材、それぞれの歴史など、多くの違いがあることをご存知ですか。
本記事では、着物と浴衣の違いを6つの観点から詳しくご説明します。本記事を読んで、着物と浴衣に関する知識を身につけましょう。
着物と浴衣の6つの違い
着物と浴衣には具体的にどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、主な違いを6つの点に分けて説明します。
1. 歴史の違い
着物と浴衣の違いのポイントは、歴史(ルーツ)の違いです。
着物の原型は、平安時代まで遡ります。当時着物は「小袖」と呼ばれる下着として着用され、その上に袴を履いてから着物を重ねる「十二単」が一般的な服装でした。
室町時代になると、小袖の形を実用的に変化させた「着物」へと変化し、江戸時代には帯を締めて着る現代のスタイルが確立されています。季節に合わせて重ね着をしたり、使う素材を工夫したりして、さまざまな種類の着物が作られて現代に伝わっています。
浴衣も、起源は着物と同じく平安時代とされています。
貴族が蒸し風呂に入る際に着用していた「湯帷子(ゆかたびら)」という着物が浴衣の起源と言われています。平安時代のお風呂は現在のようにお湯を張ったり浴びたりするタイプではなく、サウナのような蒸し風呂だったといわれます。
水蒸気が直接肌に触れることで生じるやけどを防ぐために、貴族は湯帷子を着たままで蒸し風呂に入っていました。
お風呂で着用されていた浴衣は安土桃山時代には木綿を使い、部屋着や寝間着としても使用されるようになってきました。しかし、庶民の間でも浴衣が一般的な着物になるのは、江戸時代に入ってからです。
風呂屋が庶民にも普及すると、湯帷子は「浴衣」と呼ばれるようになり、お風呂上がりに着用する着物として普及していきました。
木綿素材の浴衣が普及し始めたのも、この頃だといわれます。
吸汗性と通気性が良く、お風呂上がりでも快適に着られる浴衣は夏向けの衣類として定着します。
そして現在では比較的カジュアルな夏の装いとして、夏のお祭りやイベントなどで着用されています。
2. 着用シーンの違い
着物と浴衣の違いの2つ目のポイントは、着用シーンです。
着物には「晴れ着」や「正装」のイメージを持つ方も多いでしょう。着物には着物のフォーマル度を表す「第一礼装」「準礼装」などの格があります。洋服でもカクテルドレスやタキシードなどシーンに応じて装いを変えることと同様、着物にも素材や種類、色柄を選ぶことでフォーマルな場にふさわしい装いとなります。
例えば、入学式や結婚式、成人式などの格式ある式典やパーティーに着物で参加している人を見かけたことはありませんか。着物で参加するとフォーマルなだけでなく会場が華やぎ、祝賀ムードがより高まるでしょう。
一方、浴衣は薄く軽い素材で作られているため、基本的にカジュアルなシーンでの装いに適しています。温泉旅館の室内着や、日本舞踊の稽古着などでも着用されているのが代表的な例です。
3. 着用時期の違い
着用時期の違いは、着物と浴衣の違いの3つ目のポイントです。
着物は季節を問わず、オールシーズン着用することが可能です。
夏場には単衣(ひとえ)や薄物(うすもの)と言った、夏用の着物を着用し、それ以外の季節には袷(あわせ)と呼ばれる着物を着用します。もちろん、袷を夏に着用することも可能です。
一方で、浴衣には「夏の風物詩」のイメージがあります。浴衣の素材や柄は「涼」を感じさせるため、夏祭りや花火大会など夏のお出かけ着に適しています。浴衣の足元は素足に下駄を合わせるので、足元が涼しく体温調節もしやすいでしょう。
室内着や稽古着として浴衣を着るのであれば、季節を問わず着用することができるでしょう。
4. 生地・素材の違い
着物と浴衣の違いの4つ目のポイントは、生地や素材の違いです。
着物は、一般的に厚手でシワになりにくい素材で作られています。着物の中でも格式が高いのが絹素材で「留袖」や「訪問着」などの高価な着物の素材として使われているケースが多いです。
他にも、冬に適している保湿性の高いウールや、夏に適した薄手でハリのある麻、最近では自宅でのお手入れが簡単な化学繊維やポリエステル素材の着物もあります。
着物は素材によっても格の違いが出てきますので、着物を選ぶ際は注意が必要です。
浴衣は、一般的に暑い夏の時期に着るため、汗や水分を吸収しやすい素材で作ることが多いです。
昔は、肌触りが良く、水分の吸収・発散性に優れた麻が主流でしたが、同じく水分を良く吸い自宅で洗濯ができる木綿も定番化しています。麻と綿の混合生地で作られている浴衣や、最近では着物と同じく扱いやすいポリエステル素材の物も多いです。
5. 着用するものの違い
着物と浴衣の違いの5つ目は、着用するものの違いです。具体的に、襦袢(じゅばん)と帯の2点を詳しく説明します。
襦袢
襦袢とは、着物用の下着です。着物の下に重ねて、現代におけるキャミソールのような役目を果たします。
着物では、肌襦袢(はだじゅばん)と呼ばれる下着や、着物の裾や襟から重ね着をしているように見せる長襦袢(ながじゅばん)を重ねて着ます。
一方、夏に着る浴衣は、涼しさを重視して長襦袢は着用する必要はありません。しかし、浴衣を肌に直接着てしまうと、汗染み等の原因となりますので、インナーを着用するようにしましょう。また、浴衣の透け感が気になるようであれば着物用の肌襦袢やペチコートがおすすめです。
帯
帯は着物や浴衣の着こなしのアクセントとなる部分です。
着物の場合、フォーマル度や素材により合わせる帯が変化しますが、一般的に袋帯、名古屋帯、半幅帯を合わせます。着物でお出かけするイベントに合わせて、帯の色や柄で華やかさを演出するのも良いでしょう。
浴衣の場合、一般的に半幅帯や兵児帯を使用します。半幅帯の幅は他の帯に比べて細く、浴衣のカジュアルな装いに良く合います。兵児帯は柔らかい生地でできた帯です。半幅帯も兵児帯も着物用の帯に比べて簡単で結びやすいのが特長です。
6. 着付け方法の違い
着付け方法の違いは、5つ目の異なるポイントです。
右前で襟を合わせる基本的な着方や、おはしょりの出し方は共通ですが、着物の場合、長襦袢に合わせて後ろ衿を下げて着付けます。着物の格やお出かけの目的に合わせて、アクセサリー感覚で帯締めや帯留めのコーディネートを楽しめるのも醍醐味です。
浴衣は、長襦袢を着ないため羽織ってから後ろ衿を少し下げて着付けます。浴衣では基本的に帯締めや帯留めを使わずに帯のみでシンプルに仕上げることも可能ですが、プチヘコやレース飾り・帯紐などで可愛くアレンジすることも可能です。
まとめ
本記事では、着物と浴衣の違いを着用シーンや時期、着付け方法や歴史の違いなど6つの観点から説明しました。着物と浴衣の違いを学ぶと、日本の伝統文化を理解することにもつながります。違いを理解して季節に合った装いを心がけ、着物や浴衣でお出かけを楽しみましょう。
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