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礼装に欠かせない家紋について

礼装に欠かせない家紋について

式典や結婚式などで着物を着ている方を見ると、着物の帯の上部や袖のあたりに丸く柄が入っているのを見かけたことはありませんか?この丸く入った柄が今回のテーマとなる「家紋」です。家紋と聞くとヨーロッパの貴族や武士の話のように聞こえますが、実は着物を着たり、墓地に行ったりすると「家紋」を案外目にするものです。そんな「家紋」の意味について、ルーツや着物に家紋を入れるときの注意点などをまとめました。着物を着る際に是非参考にしてみてください。

1.家紋とは?

家紋とは?家紋の入った重箱


家紋とは、それぞれのご家庭の祖先と家に伝わる紋章(ロゴマーク)のようなものです。家族を表す際に使われる、「名字」とは異なる性質を持っています。例えば「田中」という名字の方が皆同じ家紋というわけではなく、同じ名字でも出身地や家系・家業などによって様々な種類の家紋が伝わっており、名字は違っていても同じ家紋が伝わっている家も多く存在しています。そういったことから、家紋は名字と合わせて自分の家系やルーツを知ることができるシンボルになっています。
古くは、玄関や仏壇に家紋が配されていたり、食器やタンスに家紋を入れて使用していました。
現代ではなかなか身近なものに家紋を見つけることはなくなりましたが、墓石や着物には家紋が入っている場合があります。

2.家紋のルーツ

家紋のルーツは牛車にあった?


古くから伝わるご家庭のシンボルマークである家紋。その種類は6000種類とも、さらに細かい紋様の違いまで区別すると約2万種類もあるといわれています。では家紋はいつどのように発生したのでしょうか。
家紋のルーツには諸説あると言われていますが、そのルーツのひとつに平安時代の公家(くげ)からはじまったものがあります。公家が牛車や調度品に文様を付け、他家と自分の家の持ち物を区別したのが紋の始まりとされています。
他にも、その家の先祖や当主が好んだ花を家紋に用いたりと、それぞれ家紋にはその家系にゆかりのあるものが使用されている場合が多いようです。
家紋には花や植物をあしらったものから、動物や器物をモチーフにしたもの等、デザインも多岐にわたります。同じモチーフの家紋でも向きが違ったり複数の同じモチーフで構成されていたりと細かい趣向も見受けられます。

3.家紋の種類

画像作成時のサイズは768x516に統一

平安時代から使用されるようになった家紋ですが、冠婚葬祭や通過儀礼の際に着用する礼装にも家紋があしらわれるようになりました。例えば男性の紋付きや紋入り、女性の留袖や喪服には家紋が入ります。
着物には「日向紋(ひなたもん)」「陰紋(かげもん)」という紋を表す方法があります。
「日向紋」とは、モチーフ全体を白抜きにしたもの。通常の紋はこちらの日向紋で、あえて紋名に「日向紋」と表記することはありません。
反対に「陰紋」とは、モチーフ全体は着物の地色が黒であれば黒になり、モチーフの輪郭線のみが白で表現される手法です。陰紋はどちらかというと少数派になります。
また紋の入れ方にも「染め抜き(そめぬき)」「摺り込み(すりこみ)」「縫い(ぬい)」という技法があります。
「染め抜き」とは着物の地色に紋の形を白く染め抜いた紋の入れ方です。家紋の入れ方の中では最も格式が高い紋入れの方法です。そのため、正礼装の着物は染め抜きの技法で紋が入れられています。
「摺り込み」とは布の上に型紙をのせ、その上から染料を付けた刷毛(はけ)で色を摺りこんで模様を染め出すことを言います。染め抜き紋の次に格式の高い技法になります。
「縫い」とは糸で縫うことによって家紋を入れる技法のことです。縫い紋は、刺繍紋とも呼ばれます。

また、紋の表現方法以外にも、「女紋(おんなもん)」「通紋(つうもん)」「洒落紋(しゃれもん)」と呼ばれる紋もあります。
「女紋」とは母から娘へと、女系から女系へ受け継がれる紋の事で、結婚しても、嫁いだ先の紋を使うのではなく、生まれた家の女紋を使う風習を言います。
尾張地方以西の関西地方などによくみられる風習です。この女紋の扱いについては、地域差がありますので、紋を入れる前にご家族に確認をしておく必要があります。
「通紋」とは家に関係なく誰でも使える紋を指します。一昔前は嫁入り道具として、家紋を付けた黒留袖を準備していましたが、今ではそういった習慣も珍しくなってきました。自分の家紋がわからない場合や、レンタル着物にはご自身の家紋を入れることができません。そのため誰が使用しても問題がないようにレンタルの礼服には通紋が用いられてた着物が主流となっています。
「洒落紋」は上述でご紹介した、家紋の意味から離れ、草花や動物など個人の好みによって刺繍や染で紋を表現した紋を指します。
そのため、洒落紋は礼装には使用できず、普段着やお洒落着の飾りとして使用されます。

4.礼装と家紋と紋の数

礼装と家紋と紋の数

礼装には紋を着物のどこにいくつ入れるのかというルールがあります。
紋の数は「五つ紋(いつつもん)」「三つ紋(みつもん)」「一つ紋(ひとつもん)」の3パターンと決まっています。また紋の数が多いほど、着物の格式も高くなります。
それぞれ入れる場所も決まっています。

黒留袖の紋の位置

「五つ紋(いつつもん)」には背紋・袖紋(左右1つずつ)・抱き紋(左右一つずつ)の計5か所となります。
それぞれ紋の位置には意味があり、背紋はご先祖様・抱き紋には両親・袖紋には兄弟や親戚を意味していると言われています。
「三つ紋(みつもん)」には背紋・袖紋(左右1つずつ)の計3か所
「一つ紋(ひとつもん)」には背紋だけを入れます。
こうやって見てみると、五つ紋が最も格が高いのもうなずけますね。
ではどんな種類の着物に紋が付くのでしょうか。紋の数は格式の高さを表すため、礼装に付きます。女性の第一礼装とされる、黒留袖は五つ紋が基本となります。それ以外の三つ紋、一つ紋が黒留袖に付くことはまずありません。また色留袖に五つ紋を付けることで、黒留袖と同格になります。結婚式などの式典に主賓クラスで参列する場合は五つ紋の色留袖がおすすめの正装となります。
三つ紋は略礼装・準礼装にあたり、色留袖や訪問着に付けることができます。色留袖の三つ紋は、知人の結婚式の参列・入卒式等の式典の参列におすすめです。
一つ紋も略礼装・準礼装にあたりますが、三つ紋と比較すると格は下がります。
色留袖や訪問着に付けることができ、三つ紋と同様、知人の結婚式の参列・入卒式等の式典の参列に着用することができます。
色無地の着物にも紋を付けることが可能です。色無地に紋を付ける場合は一つ紋が一般的です。紋付きの着物に袋帯を合わせることで、紋を入れていない(無紋)訪問着より格上の略礼装になります。そのためお茶席やお祝いの席などに着用することができます。ほかにも結婚式や入卒式などにも着用できますが、柄がないため少し控えめな印象になる場合もあります。帯とのコーディネートでシックな装いにも上品な装いにもアレンジできるのが色無地の特徴でしょう。

5.まとめ

だれもが使う事の出来る通紋「五三の桐」

家紋について、少しはお役にたてましたでしょうか。
家紋については一般的なルールの他に、お住いの地域独自のルールやご家庭によっても考え方が大きく異なる場合があります。事前にご家族に家紋についての考え方を聞いて相談しておくのも一つですね。
また、近年ではレンタル店などでも紋が入った着物が多数扱われています。礼装として扱われている着物はどなたでも着ることができる「通紋」がついている場合がほとんどですので、安心して着用できます。

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この記事を監修した人
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越子(えつこ)

着物に携わること50年。着物の仕入れやコーディネート・着付け・リメイクまで幅広くこなします。自分の着付けはもちろん、友人や親戚から着付けを頼まれることも。 趣味は友達と着物で京都散策をすること。 お抹茶と和菓子が好きです。
◆資格・免許◆日本和装協会認定資格/染織補正士/きもの文化検定/和裁技能士

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